2010年6月11日金曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories       マンホールチルドレン”


以前ドキュメンタリーで、
モンゴルでの極貧生活を送る
マンホールチルドレンが放映されていた。
貧富の差が激しいなか、親がいない子供、
田舎での貧しい生活から脱出してきた子供、
親子共々ずっとマンホールで生活している人たち・・・。
あまりに寒い土地柄、路上生活ができないため、
生活のすべてをマンホールの中で行い、
生きている人たちのドキュメンタリーだった。

マンホールの中で子供達十数人が、
肩を寄せ合い眠っている姿は、
何と表現してよいのか・・・・。
その中で、当時12〜3歳の一人の少女を、
テレビは何年も追い続け、
少女が大人になり、結婚し、出産し、
(もちろんマンホールの中で)
別れがあり、酒におぼれ、
でも、自分の与えられた運命を
懸命に生きる姿が映し出されていて、
深い感慨をおぼえた番組であった。

当然、物乞いをしたり、
ゴミをあさって、食料になるものを
さがすような日々の生活なのだが、
とある日、ホテルのゴミ処理場で、
カラカラになった薄っぺらい石けんと、
リップクリームを見つけた時の少女の表情が、
忘れられない。
カサカサに乾いた頬を真っ赤に染めて、
誇らしげに、他の少女に自慢気にみせていた。

毎日お腹を空かせているはずなのに、
残飯を見つけた時よりも、
とても
嬉しそうだった。

私が愛読している著書に
「小林秀雄 美を求める心」がある。
人間が生きてゆくとき、
衣食住は、最も大切なものであろう。
美は衣食住の後にくるもの、
衣食住がたりているからこその、
求めるものと思っていたが、
美とは人間が本能として求めるもの。
どんな時も
理解したり、されたり、ではなく、
感じるもの。
感じて、満たすものなのだ。

今日も私は、何らかの「美」を提供して
生きている。

これからも、
人の心にあたたかく、
はたらきかける「美」を
追求していきたい。

本能が求める「美」を
真摯にうけとめて
伝えていきたい。

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