2013年1月29日火曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories       "交差点は、女の曲がり角"


毎朝スタッフとの朝礼を終えると、
オフィスからアカデミーまで、
自転車を利用することがとても多い。

まるたけえびすにおしおいけ

あねさんろっかくたこにしき

しあやぶったかまつまんごじょう

と、道の名前をおぼえる唄でもお馴染みのように
京都の道は、
やたらめったら
ごばんのめ。

やたらめったら
交差点が多い
と、いうより交差点ばっかりである。

よって角、角、角で
一旦停止の連続なのであるが、あれっ?

今日は何だか、道を譲ってくれる人が多いではないか。

はちあわせしても、ほとんど私を優先してくれる
材木等をいっぱい積んだおっちゃんなんか、
手を使って どうぞ、どうぞ、 してくれる。

”いやん、ありがとうございます。”
気持ちよく自転車をこぐ私
と、思いきや

今日は、何だかみんな冷たい。
交差点でいつも私が待たされる。
先に行こうとしても、まったくだめ。

この違いはいったい何なのか
そう、そう、そうなんです。

メイクしてるかしてないか、
オシャレ服の時と
ダラダラ服の時との違い。

仕事では、人様に外見力の大切さをうたっているのだから、
もちろんあたりまえだのクラッカー (古っ)
なのですが、

そんなある日の事
今日の自分の外見力は、
きっと車優先の日だと予測していたにも関わらず
やたらめったら  私優先 。

中年女も美魔女と呼ばれる時代 。

”やっと魅力にきづいたのね”
と、思いきや

な~んだ、
今日は、若いスタッがとなりにいるやん
私のことなんかどうでもいいやん。
「交差点は、女の曲がり角 」

若さにひがんでも、しょうがない。

たとえ私ひとりでも

どうぞ
どうぞ

してもらえるよう

ちょっとでも
外見力アップして

今日も50女

自転車で交差点へ 突入~っ!

2013年1月5日土曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories       "紺をたたんで、紺をひらく"




大晦日、少し遅めの朝食をすませると、
誰が指揮をとるわけでもなく、
新年にむけて準備をするのが実家での慣わしであった。

祖父が手作りした干し柿と、利尻の昆布で
鏡餅を飾り付ける。
祖母と母と妹がお節の準備。
父と私は駐車場や庭、外壁などの掃除を担当するなどして、
家族皆が一日中バタバタしている忙しい日であった。

そんななか、祖母と母が何とか時間をつくって
最寄りの美容室に行っていたことなども、
懐かしい思い出である。  


それぞれが、それぞれの役割を、きちんとする。 

そして、新しい年を迎える。


また、新年恒例といえば、私と妹の枕元にはお年玉より先に、
毎年必ず一枚の新しい洋服が置いてあった。

今で言うトレンドというわけでもなく、
もちろんブランド品でもなく、
華やかさもなかったけれど、必ず真新しい一枚だった。

そんな思い出を振り返るとき、厚みのあるしっかりした
紺色のセーターを思い出す。
そのセーターは、ほぼ真四角にきちんとたたんで、
枕元に置いてあった。

広げて着た時の清々しさ。
寒い朝に、厚めのウールの温かさ。

あの時には気づかなかった新しい一年を気持ちよくはじめるための、
母の心遣いと優しさ。

そして、けじめ。


今も新年を迎える朝、そんな思い出が心をよぎる。  
そして、想う。

私は、あの紺色のセーターのように、昨年までのことを
きちんとたためたのだろうか?

真四角とは言えないけれど、せめて、両はしを揃えることぐらいは
できたのだろうか?
新品のセーターのようにはいかなくとも、
ホコリをはらって、
手のひらでしっかりとしわを伸ばして。

昨年 、そのセーターを置いてくれた母は、一人静かに旅立って逝った。
大した迷惑もかけずに、きっちりとたたんで逝った。


私にとって紺は、 一年のはじまり。

そして新しい年を迎えるための、別れとけじめ。


母に教えてもらったように、私は今年も気持ちを
新しく入れ替えて、また、この新しい年を生きていこう。

自分なりにたたんだ紺を、胸の前で颯爽とひろげて。
紺のように、毅然と、真摯に、実直に。
できれば優しく、ノーブルに。


どうぞ皆様本年も、よろしくお願い申し上げます。