2013年12月4日水曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories       "赤いリップで、ダンスを踊ろう"















今年の秋から本格的に、
1980年代のファッションやメイクが
リバイバルしている。

タイトスカートをペンシルスカートと呼び、
セカンドバックはクラッチバック。
ハイウエストをマークしたファッションなど、
ボディコンシャスなラインも復活のきざしである。

毎年恒例の秋のシーズンレッスンでは、
80年代風に赤いリップを使ったが、
今年風に使うには、いくつかのコツがある。

眉の色をかなり明るめにすること、
アイメイクやチークには強い色をのせないこと、が必須だ。

バランスを間違えると、赤いリップは
すぐに「昭和」の雰囲気になるので、要注意である。

もちろん、「自分に似合う赤い色」のリップを
知ることはもっとも重要で
質感はシアーなもの、
いわゆる透明感がないといけない。

赤いリップのリバイバルは、
二十代の頃の自分を思い出させる。
あの頃に比べると、様々なものを持ち、
そして、
また、失くしてきた。

置き去りにされたように思う過去だけれど、
ファッションやビューティのリバイバルを感じることで
新しい風になり、私たちをリフレッシュさせてくれる。

昔のようなダンスはもう、踊れないと思っていたけれど、
様々なことやものは、新しい風を連れて、巡ってくるのだ。
心配する事はない。

その時に踊れるダンスを、
精一杯踊ればいいのだ。

さあ、今年の冬は赤いリップで、
新しいステップを踏みませんか?
 
新しい年に向けて、
昔とはちょっと違うステップで、
一緒にダンスを踊りませんか?


2013年8月17日土曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories       "僕たち男の娘 (こ)"















カフェの片隅のテーブルで
一生懸命鏡をみつめる男の子。

電車のなかで、メイクをしている
女の子を見つめるよりも、
なぜだか、こちらが緊張してしまう。

その男の子は、ファンデーションで
軽く顔を整えると、満足そうな面持ちで
カフェを後にしていった。

眉を整えている男性は
当たり前の時代になったが、
フルメイクする一般の男性は、
まだまだ少ない。

今、東京では、「男の娘」イベントがあるようだ。
女の子になりたいわけじゃない、
もちろん、ニューハーフにも。

「男らしい」
「男らしさ」
「男らしい振る舞い」
「男の子らしく」
が、苦手なだけ。

男はダメで女ならいいこと
に納得がいかないだけ、だそうだ。

そんな「男の娘」達がいることを知って、
青い時代の頃の自分を思い出した。

どうして女なら、ダメなのか?
自分の好きな仕事をしたい。
生涯続けられる仕事がしたい。
結婚しなければならないの?
子供を産まなくちゃいけないの?

男も女も一緒でしょ?

男らしくとか女らしくとかではなく、
もっと自分をみつめたかった。
もっと自分をしりたかった。
もっと自分をみつけたかった。
自分らしければそれでいいよと、
誰かにいってほしかった。 


♪  君たち女の子 僕たち男の子
 ヘイヘイヘイ ヘイヘイヘイ
 胸がふるえる一度の人生 大事な時間
 ヘイヘイヘイ ヘイヘイヘイ
 夢があふれる一度の人生 大事な時間


昔の歌謡曲を鼻歌で唄いながら、
「男の娘」のことを考える。

今年の秋、もう一度青い気持ちで、
自分をみつめてみようかな、と。


2013年4月14日日曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories       "大人だってかわいいのつけまつける"














昨年から、とにかく人気がある
「大人の美まつげレッスン」
現在受講者は、300名を
こえようとしている盛況ぶりである。

ここのところ、
つけまつげマジシャン
のようになっております。()

講座名が
「大人の美まつげレッスン」 だったせいか、
受講者最高年齢は80代の方であった。

嬉しい限りである。

この講座では、
エレガントな目元になる、
あかぬけてみえるなどを、
仕上がりの目標にしているのだが、
まつげの選び方も重要で、

ツヤがあるものはさける、
人毛のイメージに近いもの、
柔らかいもの、
シンプルなデザインのもの、
がポイントである。

また、上下共につけることも必須だ。

まつげのサイズを人それぞれに
ピッタリ合うようにカットし、
時には間引いてデザインする。

この「デザインする」ことが大事。

どんな時でも、
美容の真髄は、
その人を美しくみせるための
オリジナリティが必要なのだ。

道具類も重要で、
ノリ、ピンセットの選び方で、
ずいぶん簡単につけられる。
毎回講師の私自身が、
実際につける手順をみせるのであるが、
私を囲むみなさんの


熱いまなざし。


集中力。


美しくなるぞ!
という強い志しを痛いほど感じる。

いつも講座が終了する頃には、
初めて会った皆さんが、
和気あいあいとおしゃべりし、
「お互い綺麗になったわねぇ。」
と声をかけあい、
教室は花が咲いたように華やかだ。

「人が美しくなるのは本当にいいことだなぁ。 
 素晴らしいことだなぁ。」
と実感するときである。

大人の女性も
つけまつけると毛がふえるだけでなく、
もちろん目はパッチリ、
そして心もフサフサになるのである。

きっと、心に満開の花が咲くのである。


「キャリーぱみゅぱみゅ」をしらなくても、
「キャリーぱみゅぱみゅ」と、さらっとうまく言えなくても 
全く問題ないのである。

2013年1月29日火曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories       "交差点は、女の曲がり角"


毎朝スタッフとの朝礼を終えると、
オフィスからアカデミーまで、
自転車を利用することがとても多い。

まるたけえびすにおしおいけ

あねさんろっかくたこにしき

しあやぶったかまつまんごじょう

と、道の名前をおぼえる唄でもお馴染みのように
京都の道は、
やたらめったら
ごばんのめ。

やたらめったら
交差点が多い
と、いうより交差点ばっかりである。

よって角、角、角で
一旦停止の連続なのであるが、あれっ?

今日は何だか、道を譲ってくれる人が多いではないか。

はちあわせしても、ほとんど私を優先してくれる
材木等をいっぱい積んだおっちゃんなんか、
手を使って どうぞ、どうぞ、 してくれる。

”いやん、ありがとうございます。”
気持ちよく自転車をこぐ私
と、思いきや

今日は、何だかみんな冷たい。
交差点でいつも私が待たされる。
先に行こうとしても、まったくだめ。

この違いはいったい何なのか
そう、そう、そうなんです。

メイクしてるかしてないか、
オシャレ服の時と
ダラダラ服の時との違い。

仕事では、人様に外見力の大切さをうたっているのだから、
もちろんあたりまえだのクラッカー (古っ)
なのですが、

そんなある日の事
今日の自分の外見力は、
きっと車優先の日だと予測していたにも関わらず
やたらめったら  私優先 。

中年女も美魔女と呼ばれる時代 。

”やっと魅力にきづいたのね”
と、思いきや

な~んだ、
今日は、若いスタッがとなりにいるやん
私のことなんかどうでもいいやん。
「交差点は、女の曲がり角 」

若さにひがんでも、しょうがない。

たとえ私ひとりでも

どうぞ
どうぞ

してもらえるよう

ちょっとでも
外見力アップして

今日も50女

自転車で交差点へ 突入~っ!

2013年1月5日土曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories       "紺をたたんで、紺をひらく"




大晦日、少し遅めの朝食をすませると、
誰が指揮をとるわけでもなく、
新年にむけて準備をするのが実家での慣わしであった。

祖父が手作りした干し柿と、利尻の昆布で
鏡餅を飾り付ける。
祖母と母と妹がお節の準備。
父と私は駐車場や庭、外壁などの掃除を担当するなどして、
家族皆が一日中バタバタしている忙しい日であった。

そんななか、祖母と母が何とか時間をつくって
最寄りの美容室に行っていたことなども、
懐かしい思い出である。  


それぞれが、それぞれの役割を、きちんとする。 

そして、新しい年を迎える。


また、新年恒例といえば、私と妹の枕元にはお年玉より先に、
毎年必ず一枚の新しい洋服が置いてあった。

今で言うトレンドというわけでもなく、
もちろんブランド品でもなく、
華やかさもなかったけれど、必ず真新しい一枚だった。

そんな思い出を振り返るとき、厚みのあるしっかりした
紺色のセーターを思い出す。
そのセーターは、ほぼ真四角にきちんとたたんで、
枕元に置いてあった。

広げて着た時の清々しさ。
寒い朝に、厚めのウールの温かさ。

あの時には気づかなかった新しい一年を気持ちよくはじめるための、
母の心遣いと優しさ。

そして、けじめ。


今も新年を迎える朝、そんな思い出が心をよぎる。  
そして、想う。

私は、あの紺色のセーターのように、昨年までのことを
きちんとたためたのだろうか?

真四角とは言えないけれど、せめて、両はしを揃えることぐらいは
できたのだろうか?
新品のセーターのようにはいかなくとも、
ホコリをはらって、
手のひらでしっかりとしわを伸ばして。

昨年 、そのセーターを置いてくれた母は、一人静かに旅立って逝った。
大した迷惑もかけずに、きっちりとたたんで逝った。


私にとって紺は、 一年のはじまり。

そして新しい年を迎えるための、別れとけじめ。


母に教えてもらったように、私は今年も気持ちを
新しく入れ替えて、また、この新しい年を生きていこう。

自分なりにたたんだ紺を、胸の前で颯爽とひろげて。
紺のように、毅然と、真摯に、実直に。
できれば優しく、ノーブルに。


どうぞ皆様本年も、よろしくお願い申し上げます。