2017年8月7日月曜日

京都OHBL奥田浩子のBeauty Memories     ”自分を疑え”


初めての事は楽しい。
興味のあることを学ぶことは、とても楽しい。
それができるようになると、すごく楽しい。
できたことを褒められると嬉しい。
できることで喜んでもらえると、もっと、嬉しい。

そして、私は、その人が美しく見える色を見つけること、
その人が美しく見える眉をスタイリングすること、
その人の顔をメイクアップで
輝かせることなどができるようになった。
できるようになったことをずっと続けて、
少しずつプロに近づいてきた。

けれど、まだまだ、慣れてはいけない。
なめてはいけない。
生半可な自信はいらない。
もっと自分を疑え、もっと自分を疑え。
疑いながら続けていけ。
ある偉大な演出家が、ベテランの俳優たちに怒鳴った言葉。

今年の4月から久しぶりに、10代の総勢75名の生徒たちに、
美容技術を一年をかけて指導することになった。
自分で目指した道なのに、
つまらないと横を向いてしまう若さと、
何かを探したい思いとが入り混じり、
教室は毎回、むんむんと熱い。

そんな生徒たちの中にうもれながら、
今まで何十年としてきた、
自分にとっては当たり前のようなことを、
もう一度見直して、もう一度確認して、
もう一度はじめから、美容技術を教えていく。
できるだけユーモアを交えながら、
40近い年の差を、毎回少しずつ縮めていく。
久しぶりの若者に向けての指導に、
あの演出家の言葉が頭をよぎる。

10代の生徒達と、今の私は、世代もキャリアも違うけれど、
自分を疑うことにおいては、そう、きっと、まったく同じだ。

自分を疑うという事は、
見つけられていない自分の引き出しを探していくこと、
自分の可能性を見出していくこと、
もっと自分の未来を開いていくことへの
メッセージのように思うのだ。

私には怒鳴るほどの威厳さはないけれど、
残暑厳しい8月に、
40近い年の差がある生徒にも、自分にも、
同じように喝を入れる。

もっと、自分を疑え。
 

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